ニラ(韮)スタミナ、貧血、下痢、腹痛

ニラ(韮)

ニンニクと同じくネギの一種(ユリ科)で、この仲間のように強い臭気を持ったものは「くんさい葷菜」と呼ばれ、いずれもその精力増強効果が尊ばれてきた。

『古事記』に記載があるほど中国からの渡来は古いが、当時は薬草として扱われて「ミラ」「コミラ」などと呼ばれた。

その後、いかにもスタミナのつく強精野菜らしく「起陽草」という別名を与えられている。

ビタミンA・B群を多く含む(100g中、カロチン3300ug、B20.109ミリグラム)が、特徴的なのは臭気成分の硫黄化合物(アリンやアリル)で、この物質には抗菌性とともにビタミンB1の腸内での吸収利用率を高める働きがある。

また、体内に吸収されて自律神経を刺激し、

エネルギー代謝を高め、内臓を温めて消化を促進して胃もたれ治し、

乳酸菌などの腸内有用菌の繁殖を助けて慢性の腸炎を治し、血液の浄化に役立つ。

出血時に止血しやすくなり、鼻血が止まる。

冷え性の人は体が温まってくる。

つわりが軽くなる――など、さまざまな効能があるとされる。

ニラの種子を乾燥したものを漢方薬ではきゅうし韮子といい、

強壮、強請のほか、頻尿、下痢などに用い、根と鱗茎はきゅうさい韮菜と呼んで胃炎、鼻血はもとより、解毒にも処方している。


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